店舗を持たないお菓子屋さんを開業する場合に必要な資格
店舗を持たないお菓子屋さんを開業する場合でも、販売する商品が「食品」である以上、一定の資格や手続きが求められます。物理的な店舗を構えないからこその柔軟な運営スタイルが可能になる一方で、制度上の条件には注意が必要です。
食品衛生責任者
店舗を持たずに自宅やレンタルキッチンなどを活用して営業する場合でも「食品衛生責任者」の資格は必要です。これは店舗の有無に関係なく、食品を扱う製造・販売事業者が必ず設置しなければならず、各都道府県の食品衛生協会が実施する1日講習を受けることで取得できます。

食品表示法の理解
商品に自分の名前を出して販売するなら、表示責任が伴うため、食品表示法の理解も必要です。自分が企画・販売のみを行い、製造を外部の事業者に委託する場合にも必要な知識です。
販売方法と衛生管理
加えて、対面販売(マルシェ、フリーマーケット等)やネット販売を行う際には、販売方法に応じた衛生管理体制が求められます。
特に自宅で製造する場合、家庭用キッチンでは保健所の許可が下りない可能性が高く、許可取得可能な設備を持つレンタルキッチンの利用が現実的な選択肢です。このようなケースでは、自らが「製造者」となり、設備を借りて許可要件を満たす形になります。
製菓衛生師
国家資格である「製菓衛生師」は必須ではありません。製菓衛生師は菓子製造に関する知識と技術を持つことを証明する資格ですが、取得していなくても製造や販売自体は可能です。ただし、食品に関わる専門家としての信頼感を高めたい場合には、取得をおすすめします。
「どのような形態で製造・販売するか」によって必要な資格や要件が変わります。自宅での製造販売を検討する場合は、あらかじめ地域の保健所に相談し、設備や資格条件を確認することが開業の第一歩です。
自宅で始める!店舗を持たないお菓子屋さんの開業ガイド
店舗を持たないお菓子屋さんを自宅で開業するには、事前にいくつかの法的・設備的な条件をクリアする必要があります。「自宅で気軽に始められる」と考えている方も多いですが、実際には衛生管理や許可取得といった要件を満たさなければ、販売はできません。

自宅キッチンの営業利用はNG
まず知っておきたいのは、自宅の一般的なキッチンは営業用施設として認められないという点です。家庭用キッチンでは、衛生基準や設備基準を満たせないケースが多いため、製造場所としては不適格と判断されることが大半です。
自宅開業に必要な設備要件
自宅で営業を希望する場合は、キッチンの改装や増設などによって保健所の指導に対応する必要があります。具体的には、菓子製造業許可の取得が前提となります。この許可は、お菓子の製造・販売において不可欠です。
許可取得には、専用の調理設備・二槽式シンク・換気設備・冷蔵庫・手洗い場などの設置が求められます。また、生活空間と製造スペースの明確な分離も必要となるため、専用室を用意するケースが多いです。
必須資格:食品衛生責任者
食品衛生責任者の資格取得も必須です。これは保健所に営業許可を申請する際に必ず求められるもので、都道府県の食品衛生協会が開催する講習を1日受講することで取得できます。
保健所相談の重要性
開業にあたっては、まず保健所に相談することが重要です。自宅を使用する予定であることを伝え、図面や写真を見てもらいながら改善点を確認してください。設備が基準を満たしていれば、現地検査を経て営業許可が交付されます。
レンタルキッチンの利用
改装工事費用や住環境の制約などから、自宅での開業が難しい場合もあります。その場合、菓子製造業許可を取得済みのレンタルキッチンを利用するのが現実的な代替手段となります。初期コストを抑えながら、お菓子の製造販売を行うことができます。
店舗を持たないお菓子屋さんを自宅で開業するには、単に「家で作って売る」以上の準備と確認が必要です。保健所との連携を早めに取り、適切な設備と資格を整えましょう。
店舗を持たないお菓子屋さんを開業する方法を身につけよう
店舗を構えずにお菓子屋さんを始める道が見えてきたら、次は「どのように実行に移すか」がポイントになります。資格や設備の知識を得たあとは、実際の準備に着手しましょう。以下にて、開業までに行っておきたいステップを具体的に紹介します。
食品衛生責任者の講習日を予約
最初に取り組みやすいのは、食品衛生責任者の資格取得です。各都道府県の食品衛生協会が実施しており、1日で完了する講習となっています。開催日程を確認し、スケジュールを押さえておきましょう。
保健所に相談する
自宅を製造場所として使用する予定がある場合は、保健所との事前相談が必須です。図面や写真を見せて、必要な改善点や基準についてアドバイスをもらってください。
一方、自宅の改装が難しいケースでは、レンタルキッチンの活用をご検討ください。営業許可取得済みの施設を見学し、利用条件や設備内容を確認しておくと安心です。
販売方法を選び、販売計画を立てる
お菓子を販売する手段はさまざまです。フリーマーケットやマルシェでの対面販売、ハンドメイド販売サイトでのネット販売など、自分のスタイルに合う方法を選びましょう。
その際、どの販売手段が初期費用を抑えられるか、運営の手間はどれくらいかといった観点で、比較検討すると現実的な計画が立てられます。
創業支援制度や補助金情報のチェック
各自治体や商工会議所では、起業希望者向けの支援制度を提供しています。補助金の案内や創業相談窓口、開業セミナーなどを活用することで、初めてでも安心して準備が進められます。
まずは自治体の公式サイトや地域の商工会議所をチェックし、利用できそうな制度をピックアップしてみましょう。
「今日できること」から一歩ずつ進める
すべてを一度に整える必要はありません。大切なのは、今できる準備を一つずつ着実に進めることです。例えば、資格講習の予約や、レンタルキッチンの下見、保健所への電話相談など、小さな行動が大きな前進につながります。
「いつか始めたい」ではなく「今日から動いてみる」という意識が、あなたの開業を現実にしていきます。
あかまつ学校は「お菓子作りを仕事にしたい」というあなたの想いを、具体的な一歩につなげるお手伝いをしています。
開業に必要な資格や許可の取得方法、製造場所の選び方、販売の始め方まで、経験と実績に基づいて、丁寧にサポートいたします。
「どこから始めればいいのかわからない」「今の状況でもできるのか不安」そのようなときこそ、ぜひお気軽にご相談ください。
自宅で作った手作りお菓子販売と起業サポートに役立つコラム
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